戸籍の収集について
相続が開始されてから最初に行う相続手続きのひとつに戸籍の収集があります。被相続人の出生から亡くなるまでに籍を置いた全べての市町村の戸籍謄本を収集して、そこから相続人を確定します。人は一生のうちに引っ越しや転勤などで転籍をしていることが多く、戸籍収集では被相続人が過去に籍を置いた住所地を管轄する全役所に問い合わせて収集する必要があるため、非常に多くの時間と労力を要することになります。そのため、相続が開始されたら速やかに進めましょう。
なお、相続人は一人でも欠けてしまうと相続手続きを進めることが出来ないため、漏れがないようしっかりと調査することが大切です。
また、収集した戸籍は相続人の確定の際だけでなく、相続税の申告や不動産の相続登記等、あらゆる手続きの際に必要となるため、なくさないように保管しておきましょう。
戸籍の種類について
戸籍は、日本国籍を公証する唯一の制度で、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するものです。氏名、生年月日、出生、婚姻、離婚、養子縁組、認知、死亡等の身分関係が記録された台帳です。
戸籍には下記の2種類があります。
- 戸籍謄本(正式名称「戸籍全部事項証明書」):戸籍に関する全ての項目が記載された戸籍の写し
- 戸籍抄本(正式名称「戸籍個人事項証明書」):一人のみについて記載のある写し
相続人調査の際には、相続人全員を把握するために被相続人の出生から死亡までの間に籍を置いた全地域の戸籍謄本を取り寄せなければなりません。
なお、戸籍には複数の種類があり、現在使用されている戸籍を「現在戸籍」といい、改正前の従前の様式で記載された戸籍を「改製原戸籍」、婚姻や死亡などにより在籍者のいなくなった戸籍を「除籍」といいます。相続の手続きには上記の全ての戸籍が必要となります。